利根川の源流を守る森
利根川
流域面積は日本一(16,840㎢)、長さ(322km)では、第2位を誇り「坂東太郎」の威名を持つ「利根川」は、昔から流域に暮らす人々の生活にはかりしれない恩恵をもたらしてきました。
その利根川はみなかみ町の大水上山(標高1840m)の雪渓を源に渓谷を下り、山を縫い、土地を潤し、生き物を育みながら、幾多の合流を経て千葉県銚子の河口から太平洋にそそいでいます。
森林の働き
森林には、洪水を抑制したり水源かん養と呼ばれる保水能力により、川の水量を維持、調整する働きがあります。良好な環境の森林土壌は積もった落ち葉がスポンジのように水を蓄え、ゆっくりと流すことから「緑のダム」と言われています。
森林に蓄えられた雨や雪は、自然環境の保全や人々の暮らしに欠かせない重要な役割を担ってします。
また、積もった落ち葉は雨による表土の流亡を防ぎ、力強く張り巡る木の根は山の斜面をしっかり押さえ土砂崩れを防ぐ役割も果たしています。
また、季節ごとに移り変わる景観は私たちにやすらぎを与えてくれます。
自然のダム
利根沼田地区は、群馬県内でも有数の豪雪地帯で、特に山岳地域は積雪量が多く、春の訪れとともに融けだし、水需要の多い夏に向かって力を発揮することから「自然のダム」と言われ、「緑のダム」と併せて人々の生活を支えています。
利根沼田管内には「首都圏の水がめ」と称される利根川流域の8ダムの内の5つのダムがあり、利根川水系最大級の貯水量を誇る矢木沢ダムをはじめとする各ダムの上流には豊かな森林が広がっています。